クアラルンプール空港、機内からの景色

The バックパッカー

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ファインダー越しのイタリア #1

旅に出る理由

2003年 僕は旅に出た。

まだ、インターネットも駆け出しの頃、PCのメールも使いこなせない僕が、いっちょ前にネットの波を乗りこなしていた時の事だった。

バック1つを背負って、アジア諸国を旅した人のブログに、たまたまたどり着いた。

どうして旅に出たのか?道中のトラブルの話、特に電車移動の話だったり、アジアの様子がリアルに書かれていて、

僕は画面の向こうの、同じ地球の出来事を一語一句読み込まずにはいられなかった。

バックパッカーという言葉も、そのブログで初めて知った。

旅とは普通スーツケースを引いて行く物だと思っていたところに、リュック1つを背負って外国に・・・なんて言うのだから、

遠足じゃん?!

僕の中の『普通』が、爆発音と同時に一瞬で崩れ落ちていくのがわかった。

立ち込める埃の中から、新たに湧き出てくる感情。

・・・僕も旅に出よう・・・

純粋と書いて馬鹿と読めるくらいに、何も知らないというエネルギーに満ち溢れていたあの頃。

僕は早速、旅の支度にとりかかった。

パスポート、トラベラーズチェック、カード、旅券、ノート、カメラ、フィルム、地球の歩き方、そして主役のバックパック。

もちろん、入りきらないくらいの、不安と恐怖もそれらと一緒にバックパックに押し込んだ。

旅に出る理由?? 当時の僕の頭の中には明確な理由は存在しなかった。

例えば、それらしき物があったとするなら、「かわいい子には旅をさせよ」という言葉だろうか?

自分 = かわいい ∴ 旅が必要  ・・・    

クアラルンプール
クアラルンプールでの乗り継ぎ

トランジット

目的地をイタリアにロックオン。

何故イタリアなのか?それはパスタがおいしそうだから・・・

語り継がれる、哲学的な言葉とは程遠い、ながらも、明確な理由。

格安航空券で行くイタリアは、どのくらい時間がかかったのだろうか?

途中、マレーシアのクアラルンプール空港でのトランジットを挟む。

深夜の空港内にて、おそらく4から5時間は過ごしていたと思う。トランジットの意味も分かるはずもなく、安いチケットだから待たされているというくらいの認識で。迷子にならないように、同じ便の搭乗者の後ろを追いかけ、何をする時間なのか?何処に行けばいいのかを必死で学んでいた。

僕の耳に入り込む、聞きなれない言葉の量と比例して、段々と旅に出ているという実感がわいてくる。

クアラルンプール 機内からの風景
機内から見るマレーシア、クアラルンプール空港

 

イタリアのせい

フィウミチーノ空港に無事着地。

朝も5時くらいだったような、ローマ中心部までの電車はまだ動いていない。

この時点で、まだ行く先は決めていない。

バックの一番取り出しやすい所に入れておいた、 地球の歩き方 を取り出して、ローマのページを調べてみる。

今でいうと、スマホ検索という行為に近い。本という限定された情報だが、この情報を基に僕は旅をすることになる。

とりあえず中心部に行ってみよう。 いざ、ローマ、テルミ二駅へ!!

・・・始発まで待つことに。

それにしても昼みたいな朝だな。

時差ぼけのせいではなく、これは、イタリアのせいによるもの。

同じ朝でさえもこんなに違うのだから、この旅が僕にもたらせた変化は、きっと計り知れない物だったのだと、年月が経って余計にそう思う。

フィウミチーノ空港
テルミニ空港で出会った軍人

右から アンドレア、 マッティオ、 リッカルド、      

名前は知らないが、そんな感じがする。

この服装なら、軍人で間違いないとは思うのだが、

かの Wikipedia によると、2000年くらいまでは、イタリアにも徴兵制度があったのだという。

日本でしか生きてきたことのない僕には、今まで、将来軍人になろうという選択肢が、ちらつくことは一切なかった。

ファインダー越しに見る、おそらく同世代であろう彼らがどういういきさつで兵士になったのかはわからないが、

彼らの瞳は、僕のそれよりも一回りも二回りも、大人っぽいオーラをまとっていた。

デジタルではないカメラ

この時僕は、コンパクトなフィルムカメラ(APSフィルム)を持っていた。決して高価な物ではなく、普通のカメラ。

この頃、デジタルカメラも少しずつ出回っていたが、まだフィルムの方が主流だった。

その為、フィルムを日本から何十本か持っていき、一日数枚と決めてシャッターを押すタイミングを待っていた。

今はデジタルな社会、

今とは違い、写真一枚の重さがとても重く感じる。

今が悪いと言いたいわけではないが、昔の物が良く感じる事も多い。

同じ景色でもその人の見てる角度、切り取り方で世界が変わり、

本と似ていて、僕の知らない角度の世界に触れることが出来る、

そして、不思議なことに、写された側の気持ちだけではなく、

シャッターを切った側の想いも刻まれる。

僕はプロカメラマンでは無いが、昔からそういう写真のことが好きだった。

こうして僕の目線で、イタリアを切り取る旅が始まった。

 

つづく・・・

 

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