股関節唇損傷体験記 #5
股関節唇損傷手術
2021年 4月
僕が手術をすることに決めた理由
30代、今はまだまだ体力があるから、少しの痛みなんかは、耐える気力もあるし、回復力もあるだろう。もっと悪くなって股関節の軟骨がなくなって、変形性股関節症にでもなったら更に大変だ。例えば、股関節唇損傷を放っておくと変形性股関節症になってしまう可能性もあるらしい。
それなら今やろう。
予防の意味もあるのだから。
とわいえ、手術と聞くと、やはり少し躊躇してしまう。手術という選択が、必ずしも正しいとは限らないし、やらなきゃ良かったということもありえるだろう。
もちろん、痛いのも嫌だ。
身近にこの手術をした人もいない。
術後のトイレはかなり気になるし・・・
もちろん、仕事のことも気になる。
そんな葛藤の中、自問自答を繰り返し、僕は手術を受けることに決めた。
股関節唇損傷手術
スターバックスの手術台
2021年5月
手術当日、
手術室までの足どりは重い。
気持のせいではなく症状のせいだ。
手術室へつくと、直ぐにドアが開いた。
ドアの向こうには女性の看護師二人と男性の看護師一人が、いらっしゃいませ〜と言わんばかりに、並んでいた。
オープンしたばかりのカフェのように。
「コーヒーと、スコーンを・・・ はい、ブラックで」
んっ?なにか変だぞ?
僕が知っているスターバックスの雰囲気とは、まるで違う、宇宙船の内部みたいな所。
僕は はっと、我に返った。
股関節唇損傷手術
『手術室だ!、!!』
危うく注文するところだった。助かった・・・
手術室に入った瞬間から既に、麻酔の前の麻酔が始まっていたのか?!
あくまで推測だが、何人かの患者は、スターバックスだと思いそのまま眠らされている可能性があるのかもしれない。
どうやら、僕はそのタイプではなかったらしい。
冷静に現状を把握する。
確率的には6%くらいだろうか?そのことに気づけた部類のタイプだと思う。
こうこうと光る照明と、それに照らせれた手術台。
よく怪奇現象のTV番組で、宇宙人に拉致されて人体実験をされたという時に出てくる、あの宇宙船の内部。
まさにそれそのまんま。
少し興奮気味に手術台にのり、下からのアングルで宇宙船内部をきょろきょろ見廻す。
緊張半分、興奮半分、、、そして麻酔の説明を受けたのもつかの間、その興奮は何処へやら?僕は一瞬で4時間だけの深い眠りについた。
短いけれど、深海に包まれるかのような、
その後の記憶は目覚めてからの記憶である。
#1 出会いの数だけ・・・ 股関節唇損傷との出会いはこちらをお読みください。